概要
前回はMACDのゴールデンクロス買いとデッドクロス売りを繰り返すシンプルなトレード手法での検証を行いましたが、今回はADXをエントリー時のフィルタとして追加したトレード手法の検証結果を示したいと思います。
前回記事に関しては以下を参照ください。
ADXに関して
MACDは、トレンド相場ではトレンドの転換や押し目(戻り)のシグナルとして適切に機能すると言われていますが、一方でレンジ相場ではやたらめったにシグナルを出すため、相場の方向感を示さないといった弱点があることでも知られています。
下図がその一例です。
チャートから、トレンドを形成しておらず、レンジ内で価格が行ったり来たりしている様子がわかると思います。
黄色の丸がゴールデンクロス買いを、緑の丸がデッドクロス売りをそれぞれ表しています(ローソク足の確定を待っています)。
概ね、緑の丸(売りポイント)より黄色の丸(買いポイント)の方が高い位置にあるため、このような相場で愚直に売り買いすると損をしてしまいます。
そこで今回はレンジ相場内でのトレードを極力避けるべく、ADXを考慮したトレード手法を試してみたいと思います。
ADXはトレンドの強弱を表すインジケータで、上昇トレンド下降トレンド問わず、トレンド発生中に値が上昇します。
多くの場合、ADXラインが20~30以上あればトレンド発生中との判断になるようです。
下図はADXを追加したものです。
レンジ相場のため、ADXラインが概ね25以下と低い水準にあることがわかります。
これを利用すれば、つまりエントリーの判定条件としてADXがある閾値以上であることを加えることで、レンジ相場内でのトレードを極力避けることが可能になるのではないかと考えられます。
まとめると以下の通りです。
トレード手法
- ローソク足確定時に、ADXが25以上かつ、ゴールデンクロスならば買い、デッドクロスならば売り
- ADXに関わらず、買いポジションは次回デッドクロスで手仕舞い、売りポジションは次回ゴールデンクロスで手仕舞い
- 短期EMA=12、長期EMA=26、シグナル=9
- ポジションは常に0.1Lot(10000通貨)
- 通貨ペアはスプレッド0.3pips(0.3銭)のUSD/JPY
- 資産100万円スタート
- 検証期間は2013/1/1~2020/12/31(8年間)
- 15分足、1時間足、4時間足、日足でそれぞれ検証
結果
下図は15分足。
前回同様資金ショートにより強制退場となりました。
下図は1時間足。
前回のADXなしの場合は右肩上がりでしたが、どうやら改悪してしまったようです。
下図は4時間足。
前回はほぼ横ばいが続き最後勝ちましたが、今回は負けのようです。
下図は日足。
前回も負けましたが、それ以上の負けです。こちらも改悪のようです。
以上がバックテストの結果です。
全時間足で改悪です。
よく聞くんですけどね、MACDとADXの組み合わせは。
勿論、今回は全てエントリーしにいった結果なので、裁量を加えるともう少しマシになるかも知れませんが、上記のグラフから極力勝ちトレードを抽出し、資産曲線を上げていくのは至難の業でしょう。
世間で言われている方法論が必ずしもいいとは限らないということでしょうか。
改善点見つけて、別の切り口で改良を加えていく必要がありそうです。